2018年8月27日

リハビリテーション科 作業療法士 「認知症病棟の現在の取り組み」

 

はじめに、一言に認知症といっても様々な種類、患者様一人一人のこれまでの生活や元々の性格によって症状は異なります。中核症状といった(認知機能の低下・失行・失認等)に加え、周辺症状の(混乱・興奮・徘徊・介護拒否等)により、ご自宅での対応が困難となられた方が現在E病棟で生活しておられます。そのような方々が、その人らしく安心して生活を送り、社会性の維持を図れるよう毎日認知症治療病棟では生活機能回復訓練を行っています。

 リハビリテーションでは、生活機能回復訓練を通して、患者様の生活リズムの確立・残存機能の発見や維持、精神面の安定を図り安全に生活を送れるようサポートする為、

 体操やカラオケといった25名程度の集団活動や10名程度の手工芸等の小集団での活動、個別での介入を行っています。

 集団活動では、午前中の時間に体を動かす事による廃用予防、日時や季節の事柄等の現実見当識を入力するRO療法、回想法等を含めた活動を行い、様々な人達と同じ空間を過ごすことによる普遍的体験を受容し不安や焦燥の軽減を図るだけではなく、午前中の同じ時間に活動を行うことにより生活リズムの改善・確立、離床機会を設け身体機能維持・向上を目的に行っています。

 

 小集団では、午後の時間に作品作りを行い病棟に飾る物などを作成しています。

現在は、女性参加者が多く病棟では女子会とも呼ばれています。始めは、はさみ等の危険物の使用に多くの介助を要していましたが、次第に使用方法にも慣れ以前より作品作りに幅が持てるようになってきています。また、作業の時間ともなると自ら参加する患者様もおり日々の楽しみとしている方もいます。次第に患者様同士のコミュニケーションも増え交流の場や居心地の良い場所となり穏やかに時間を過ごしているようにも見受けられます。作業工程や完成した作品を病棟スタッフや他患者様から正のフィードバックを頂くことにより、受容される体験・共有体験を感じ、自尊心の向上にも繋がっていると考えらます。

 

 個別での介入では、ベッドサイドで行うリラクゼーションや拘縮予防を行っております。また、6月にオープンしたリハビリガーデンに赴き、平地や砂利・築山を利用した歩行練習、リハビリデッキを使用した階段昇降等を行っており、他にもブランコを漕ぐことによる、前庭刺激・固有感覚刺激、視覚刺激により平衡反応や立ち直り反応を引き出し転倒・転落予防を行っています。また以前よりも様々な植物が増え、四季の色づき(視覚)、植物や土の感触(触覚)、植物の香りと土の匂い(嗅覚)、鳥のさえずりや虫の鳴き声(聴覚)、収穫物の味(味覚)等の五感に働きかけるような刺激が受容できます。

現在は、気温も高く利用できる頻度も限られていますが他のリハビリスタッフからも患者様が、草花を見て表情の変化が増えた事やリハビリガーデンに行きたいという話も増えてきているそうです。

 

 今後の課題としては、男性メンバーの小集団(男子会)の発会です。女性患者様に対して、男性は個人で過ごしがちである為共に楽しめる活動が見つかりにくい現状にあります。日々の関わりや病棟スタッフの皆さんと情報共有し今後発会できるよう検討していきたいです。また、提供できるリハビリテーションの質の向上も今後必要と感じています。私自身の知識・経験不足から対応に困る場面があり、患者様一人一人に対する対応が正しかったのか考える場面があります。今後リハビリとして関わる際に自信をもって対応ができるよう努めていきたいと感じています。

 

  最後に、厚生労働省によると日本の認知症高齢者は、2025年には700万人を超え、65歳以上の5人に1人が認知症であると推計値を発表しています。認知症を有する方は、その場での出来事は忘れてしまっても感情は残りやすいと言います。患者様の尊厳を尊重することは大切だと感じてはいるものの、時間に追われその場しのぎの対応になってしまう事もあるかと思います。今後関わる場面が増えてくる認知症の患者様に負の感情ではなく、正の感情を残せるような対応が大切だと考えます。また、認知症と聞くと暴力等のマイナスのイメージを持ちやすいと思いますが、患者様のバックグラウンドを知ろうとする心がけと関わり方、環境設定等により少しずつではありますが、変化が見える可能性があるかと考えます。日々関わる事で、今まで聴くことのなかった話や残存機能の発見などもありとてもやりがいのある仕事だと感じています。今後も認知症患者様への支援についての知見を学び、実践し検証・改善しながら関わっていきたいです。

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